東京・渋谷のシネマライズを皮切りに、劇場公開が始まった新海誠監督の最新劇場アニメ「雲のむこう、約束の場所」。その公開初日、東京・渋谷のシネマライズで舞台挨拶が行われた。この作品は、南北に分断された日本を舞台に、藤沢ヒロキと白川タクヤという2人の少年が、国境の彼方に遠くにそびえ立つ謎の巨大な「塔」と、眠り続ける憧れの同級生だった少女・沢渡サユリの原因不明の病気の謎に迫っていく物語。自主制作作品「ほしのこえ」で高い評価を受けた、新海誠監督による初の劇場長編アニメーションということで、多くのファンが待ちわびていた作品でもある。
11月20日の公開初日には監督とスタッフが舞台挨拶するとあって、劇場には多くのファンが訪れた。取材を行った21時45分からの最終回には監督の新海誠と、音楽を担当した天門、キャラクターデザイン・総作画監督の田澤潮、背景を担当した丹治匠の4人がステージに登壇。それぞれが、この作品についての熱い思いを語った。
新海誠(監督)
「この作品は2年前に制作の発表をさせていただいたんですが、そのときから、この日が来るのをずっと待ちのぞんでいました。前作の『ほしのこえ』は自主制作でしたが、今回の作品は多くの人に力を合わせて手伝ってもらったものです。この作品は長編アニメーションとしても、商業作品としても自分自身これがデビュー作ですし、スタッフも初めての経験でしたが、それぞれベストの力を出しあって、これほどの作品に出来たということに誇りを持っています。田澤さんには今年の夏頃の最後あたりのすごいハードなスケジュールの時にもずっと最後まで見捨てないでつきあってもらいましたし、美術も丹治さんと出会わなければ、密度の薄い映像になっていたと思います。それどころか、作品の完成自体がいつになっていたか……(笑)。本当に感謝しています。また天門さんのイマジネーションの素晴らしさは、前の作品でも分かっていましたが、その想像よりさらに素晴らしい音楽で、作品の完成度を高めてくださいました。自分としても『ほしのこえ』では出来なかったことや、自分なりに生み出そうと挑戦したことが、この作品ではたくさんあったので、迷ってばかりだったんですけど、みんなに支えられて、とても楽しくやり遂げることが出来ました。そんな2年間のすべてを詰め込んだ作品です。みなさん楽しんでご覧になってください」
田澤潮(キャラクターデザイン・総作画監督)
「この作品に参加した自分は総作画監督としてはとても頼りなかったと思うんです。でも、周りのスタッフに協力してもらって、ようやくの思いで完成した作品を見たら、想像以上に素晴らしいものになっていて、良かったと思っています。作業も、監督が自分を信頼して任せてくれていたので、作業はやりやすかったですね。特に、キャラクターの芝居などを見て欲しいと思います」
丹治匠(美術)
「現場がとても楽しく、完成した作品もとても素晴らしいものになっていると思います。個人的には初めてのアニメーションの作業ということで戸惑ったりもしたんですが、みんなですごい一生懸命、力を出し合って良いものを創り上げたと思います。頑張ったので、背景など美術の部分を全編じっくりと見て欲しいなと思います」
天門(音楽)
「新海さんの作品にはずっと携わってきているんですけど、どんどん尺が長くなっていって、それに伴って曲も増えるんですけど、個人的にやりたい曲などが盛り込めたので満足しています。モノローグで感情を高めていくという新海節というか、彼の特徴が良く出ている作品だと思いますね。新海さんはこだわりをもった作品作りをする人なので、映像と曲のタイミングを合わせるのに苦労しました。ですので、その映像と音楽のこだわりというものがみなさんに伝わればよいと思いますね」
この「雲のむこう、約束の場所」は順次全国で公開される。また、12月4日に初日を迎える神戸のシネ・リーブル神戸では10時から、大阪のテアトル梅田では12時45分から新海監督と田澤潮氏が舞台挨拶を予定。さらに福岡のシネテリエ天神では12月5日14時45分から、同じく新海監督と田澤潮氏が舞台挨拶を予定している。詳細は公式サイトを参照のこと。
●「雲のむこう、約束の場所」公式サイト