Q:この「羽 -hane-」は初のアルバムということですが?
「セルフプロデュースのアルバムとしては、『空を飛べたら…』があるんですけど、メジャーデビューとしては初となります」
Q:作詞作曲は全部ご自身でやられたのですか?
「作詞は全曲、私自身で書いたものです。作曲については9曲が私の作曲で、2曲はプロデューサーの高瀬一矢さん、もう一曲はI'veの中沢伴行さんが書き下ろしてくださっています」
Q:すべて新曲ということになるのでしょうか?
「『カナリア』と『羽』『疾風雲』は、セルフプロデュース・アルバム『空を飛べたら…』の中に収録された曲ですね。「羽」は、『疾風雲』と『ひとりごと』はコミックマーケットで発売したマキシシングルに収録されています」
Q:「羽 -hane-」というアルバムタイトルにしたわけは?
「自主制作のセルフプロデュース・アルバム『空を飛べたら…』に入っていた『羽』を、I'veの高瀬さんが聴いて、とても気に入ってくださったんですね。もし何かやるときはこの曲をアレンジして出したいなっていうお話をしてくださっていたんですが、それがいろいろやっていく内に私のオリジナル曲を形にしたアルバムでということになったんです。だから、このアルバムを出すきっかけになった曲ということもあり、私と高瀬さんで相談した結果、『羽』だねということになり、アルバムタイトルに使うことになったんです」
Q:この「羽 -hane-」というタイトルにはどういう意味が込められているんですか?
「羽ってすごく小さくて軽くて、風に流されて飛んでいってしまったり、落ちたり、水に流されてしまったり。そういう弱いものの象徴という感じがするんですね。反面、羽といえば空を飛ぶことができる『希望の象徴』みたいなところもあります。私は、すごく空に憧れをもっていて、飛びたいなとか、高いところへ行きたいとか想っていたりするんですね。『羽』の曲の内容もそうですけど、この『羽』そのものが、そんな私自身を一番うまく表現しているものなのじゃないかなと思っています」
Q:このアルバムのテーマは?
「強いコンセプトとか、こういうところを分かって欲しいというのはありません。ただ、日々私が書きためている曲であったり詩であったり、そういった自分の『今』というものを形にしたかった。ただそれだけなんです。私は自分自身がすごく小さくて弱い存在だと思います。ですから、皆さんに届けたい強いメッセージとかいう偉そうなことは言えないんですけど……。でも、こういう弱い私だからこそ、皆さんが落ち込んでしまったときに、そんな自分と重なる面とかがあればいいなと思っています。『こんな、小っちゃな人間でも何となく歩いているんだから、自分も歩いていけそうだな』という、そういった明るい希望のようなものになれればいいですね」
Q:アルバムに収録したいと思った曲は数多くあったと思いますが、実際に収録された全12曲の選び方は?
「私がたくさん書きためていた作品を、全部プロデューサーの高瀬一矢さんにお聴かせして、選んでいただきました。私じゃ分からないところもあるし、それに自分だと、どの曲も全部気に入っているので選び切れないので(笑)」
Q:曲順については?
「曲順については、中沢(伴行)さんの案です。中沢さんはそういう面では的確な感じでとらえてくださる方なので、まず中沢さんにベースの案を出してもらって、それをみんなで見ながら相談をしてって感じです。私はこのアルバム全体を、映画を見るような感じで聴いていただきたいなというのがありました。イントロダクションから、ずっと聴いていっていただいて、タイトル曲である『羽』が映画でいえばクライマックスという感じで考えていたんです。そしてエンドロールのサウンドとして、アルバムの中でも異色のサウンドになっている『カナリア』の新バージョンを持ってきています。この曲は、トランス風というか、テクノ風というか……。こういうのはすごく格好良いアレンジなので、ギュッと締まるような感じでアルバムを締めくくってくれると思います」
Q:実際に、完成しての感想は?
「なんか『あー、やっと出来たんだー』という感じでしたね。いま自分の持てる力はすべて出し切ったなと思っているんで、そういう面では非常に満足しています。逆に、アルバムができあがったことで、まだまだだなと思うところもいっぱい見えてきました。その辺を反省材料に、もっと力を付けていきたいなと思います」
Q:どの曲もお気に入りとのことですが、特に聴いてほしい曲はありますか?
「いままでリリースした自主制作盤の曲も、今回全部収録し直したアルバム・バージョンになっています。イチオシなのはやっぱりタイトルにもなっている『羽』です。この曲は、とても自分を表現している曲になっていると思うし、アレンジも私がやりたかったことができたと考えています。歌詞の面でも本当に自分らしいものが書けたと思っているので、やっぱりこの曲は聴いてもらいたいですね」
Q:他にもお奨めの曲はありますか?
「あと、もう一曲。裏タイトル曲になっている曲がありまして……。このアルバム『羽-hane-』は、メジャーデビューということでスタートラインに立ったという感じのアルバムになっています。でも、それと同時に、ここまで私を支えてきてくださった方たちに対して、『私は今こんなに幸せで、こんなことをやってます』という感謝の意味を込めたものにもしたかったんです。そう思っていたところに、たまたま中沢さんに『Gratitude〜大きな栗の木の下で〜』という曲を書き下ろしてもらったんです。その曲をもらったときすごい懐かしい感じがしたんですよ。で、この曲をもとに作詞をしていたら、両親のことだったり、昔お世話になった先生方や友達だったりとかそういう人たちに対する感謝の気持ちを表したような、そんな内容の歌詞になりまして……。アルバム全体に込めたかった、いろいろな人に対する『感謝』の気持ちがこの一曲に込められた感じになっています。ですから、この『Gratitude〜大きな栗の木の下で〜』と曲は、『羽』が表であるなら裏のタイトル曲かなと思っていますので、この曲もぜひ聴いてほしいと思います」
Q:このアルバムを、どういうときに聴いてほしいと考えていますか?
「私が歌ってきた曲というのは、今まではゲームの主題歌だったりアニメのテーマソングや挿入歌だったんですね。このアルバムにはそういうコンセプトが何もありません。私は、音楽ってやっぱり生活の後ろでいつも流れているBGMみたいなものだと思うんです。思い返せば『あ、あの曲を聞いてたな』という感じで、その曲を聴いたら、その当時が思い出されるとか、そういう何かしらのBGMになっている存在が音楽だと思うんです。ですから、私もこのアルバムの曲たちを、何気ないひとときのBGMとして側に置いてくれればいいなとおもいます。さらっと聴き流してもらって……それでも『ああ、あのときそういえば……』っていう、そんな存在であってくれればいいなと思います」