今春3月6日(土)より日比谷映画ほか、全国東宝洋画系でロードショーされる「イノセンス」の公開を記念し、東京都の現代美術館で「球体関節人形展」が開催される。
「イノセンス」は準備期間2年、制作期間3年という長い歳月を経て製作された、「攻殻機動隊」に続く押井守監督の最新作。人間、サイボーグ、ロボットが共生する2032年の日本を舞台に、わずかな脳だけが生身という生きた人形(サイボーグ)である主人公バトーは、失った同僚の女性・素子への記憶を引きずりながら生きていた。ある日、少女型愛玩用ロボットが暴走し、オーナーを惨殺するという事件が発生。バトーは、自分が勤務する対テロ機関である公安9課の相棒トグサとともに捜査に赴く。バトーは捜査を進めるうちに、様々な人形(サイボーグ)たちと出会い、「人間はなぜ、自分の姿似を造ろうとするのか」「人はなぜ、人形を必要としているのか」と自問自答を繰り返す。そして事件のもつ驚愕の真実にたどり着く。
「球体関節人形」は腕、足、腹などの関節に球体を入れてつなぐことにより、精緻なポージングを可能としたもの。元来は西洋人形の伝統的な様式であったが、シュール・レアリスムの美術家、ハンス・ベルメールの影響により、日本では倒錯的な色合いをもった独自のジャンルを形成している。
今回「イノセンス」を制作するにあたり、押井監督は「人形とはなんであるか」という思索を深めるために、ありとあらゆる人形作品をリサーチ。また、監督自身もハンス・ベルメールファンとして人形に深く関心を抱いているという。そのことから、「人間はなぜ、こうまでして人の似姿を造りたがるのか」という、バトーのセリフにあるこの作品のテーマについて、映像から迫ろうとする映画「イノセンス」とは違う、人形という造形からテーマに迫ることを目的とした展覧会としたという。
今回の「球体関節人形展」では、監督押井守自らが監修者となって人形作家および出品作品を選定。四谷シモンや吉田良など実力派18作家の約160作品を展示している。このほかにも写真出展として、ハンス・ベルメールの作品も見られるなど、球体関節人形の鑑賞できるイベントとしては、今までにないほどの大規模な展覧会となっている。
また、館内では映画制作のために数年間に渡ってロケハンした貴重な写真映像の展示や、特殊なスクリーンでのプロモーション映像の上映、映画「イノセンス」をモチーフにした人形の実演制作も実施予定。さらに押井監督のサイン会、トークショーなども予定されている。
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吉田良「無題」、撮影・斎城卓。

四谷シモン「木枠で出来た少女3」、撮影・篠山紀信。
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